2018年06月10日(日)
「失敗基板のリサイクル」という大義の下、"Zombie Dipper"なる代物を製作中の弊局JA8WSFです。 ここ最近は、自作品のクォリティをupさせるべく、効率的且つ美しいシャーシ加工法を探求している訳ですが、シャーシ加工に伴い発生する音、つまりポンチ打ちや電動ドリルによる騒音は、アパマン住まいの身にとっっては悩みの種(涙)。近隣への迷惑を考えると、特に深夜の作業は尻込みしてしまいます。
そこで本日の作業では、仕上がりの完成度に加え、
 作業時の騒音を低減する為の工夫 
も考えてみました。
ラジケータSD-305の採寸
本日の作業は、はSD-305というラジケータをシャーシに取り付ける練習です。この部品、弊局では高周波発振回路の出力や、QSO時の自波をモニターする目的で頻用しています。
このSD-305のサイズに関しては、メーカー公表の資料が無かったので、自分で 採寸 し、それに沿ってシャーシに罫書き線を入れる事にしました。

【 採寸結果 】
ラジケータ孔開けデザイン
SD-305現物にスケールを合わせて実測した、幅や高さ、そして、取付ビスとの位置関係。
【 罫書き 】
ラジケータ罫書
採寸結果に沿って、シャーシに掘った罫書き線。
騒音低減の為の工夫
孔開けのガイドとしては、ポンチングは、作業時の音量が大きい事から避けます。
その代わり、ピンバイスで小さな孔を開け、これをドリリングの下孔とします。

【 ピンバイス 】
工具ピンバイス
下孔開け作業を極小の音量で進める事を可能たらしめる優れものツール。
【 下孔開け 】
ラジケ中央ピンバイス
ピンバイスで、ゆっくりと且つ静かに下孔開け作業。
下孔が開いたら、次はドリルで本孔を開ける訳ですが、ここでも騒音を発する電動ドリルは避けて手廻しドリルを用います。但し、この手回しドリルなる代物、作業時の音は静かなのですが、電動ドリルに比べてドリルチャックの締めが緩く、その為に作業中、ドリルの空回りが多発するのが悩みです。
そこで、空回り対策としてチャックへの取付部が(円柱でなく)六角軸になったドリルビットを用います。このタイプのビットでしたら、たとえチャックの締付が多少緩めでも空回りする事は在りません。

【 六角軸ドリルビット 】
六角ビット
チャック接続部が円柱になっているタイプのビットとは異なり、チャックと強固に噛み合うのが魅力。
【 本孔開け 】
ラジケ中央手回しドリル
電動…ならぬ手廻しドリルなので作業音は静か。しかもビットが六角軸なので空回りの心配は無用。
「四角い」孔を開けるという事
今回取り付けるラジケータは、取付の為に、丸ではなく四角形の孔を要するタイプです。

さて、シャーシに四角い孔を開ける為には、
ドリルで無数の孔を開けまくって、然る後にヤスリで成形!!
という方法が有ります。実に時間と手間が掛かる 非効率的極まりない 方法ではありますが、実際に1970年代、当時、幼少であった小生は、実際にこの方法で長方形の孔をシャーシに開けていました。

しかし現在の弊局、方形孔を開けるのにはニブラーを使い、より効率的に作業を進めています。

【 リーミング 】
ラジケ中央リーマー
ドリルで開けた孔の径を、リーマーを用いて、ニブラーが通れる程の大きさまで拡大。
【 ニブリング 】
ラジケ中央ニブラ
ニブラーで、孔を方形状に拡大。
ニブリング後の孔は、ヤスリを用いて更に細かく成形します。

【 ニブリング後 】
ラジケ中央ニブリング後
ニブラーを駆使して開けた方形の孔。
【 微調整 】
ラジケ中央ヤスリ
方形孔の辺縁をヤスリで細かく成形。
完成した方形孔にラジケータを嵌め込んでみます。ラジケータと孔のフィッティングはバッチリOKでした。但し、この段階は、 仮 組みに過ぎません。この後、ラジケータ固定の為のビスを通す孔を開ける必要が有ります。

【 ラジケータ仮組み 】
ラジケ中央合わせ
ラジケータ 本体 部分は孔に合う事が確認され、ホッと一安心。後に控えしはビス孔を開ける作業。
現物合わせを併用…ビス用孔を開ける作業
ビス孔を開けるには、最初の工程で描いた罫書きを目標とする一方、更に現物合わせの手法も用いて下孔を開けます。

【 ビス用の下孔 】
ラジケねじピンバイス
方形孔に嵌め込んだラジケータのビス用孔位置に合わせて、ピンバイスで下孔開け。
【 ビス孔 】
ラジケねじ手回しドリル
下孔に沿って開けられるビス孔。この工程でも手回しドリルを使用。
ビス用孔が開いたら、いよいよラジケータを 本 組みします。何とかうまく収まりました。

【 ラジケータ本組み 】
ラジケ取付完了
ラジケータとビスを孔に通し、ビスを締め付けると、無事に作業完了。